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消えゆく空冷エンジンのバイク

  • front21th
  • 2017年9月1日
  • 読了時間: 3分

バイク業界のパンデミック

各メーカーから生産終了のアナウンスが流れています。 その多くは空冷エンジンで騒音規制対策が難しかったり、排気ガス規制対策に費用がかかり過ぎるため現行モデルが継続販売できないなどの理由で次々と生産終了が発表されています。

なかでも空冷は燃焼温度や排気温度をコントロールしにくいため、排気ガスが常にきれいな状態に保つのが非常に難しいエンジンです。

空冷エンジンは強制的に冷却する装置を持たないため、希薄な混合気(ガソリンと空気)ではエンジンの熱が上昇してしまう。 そのため燃費的にも悪く、排気ガスにも不完全燃焼で発生するHCもNOxも上昇する。

レシプロ型の内燃機関はプラグによる点火から火炎が燃焼室内で広がっていく爆発した力でピストンを押し下げ、完全に燃焼しきらないうちに排気を始めるため燃えムラが発生し不完全燃焼が起きる。 これを浄化するために三元触媒でもう一度反応させることで、N2やH2O、CO2にして有害物質を浄化してた。(車の排ガス規制の時)

空冷は風が均等に当たらないので、ヘッドやブロックの温度に部分的なムラが出てしまう。つまり大ざっぱにしかエンジンを冷やせない空冷は厳しい。

排ガスをクリアしながら騒音規制を通すのが大変

排ガスと騒音、どちらがバイクにとって大変か? メーカーが言うには 「音のほうが大変」

騒音規制は排気音だけにかぎらず車体全体からの音量が規制対象です。

水冷エンジンは、エンジンの廻りに水冷用の水路(ジャケット)があるのでカムチェーンノイズなどかなりの音は吸収できるので静かなバイクが出来ますが、空冷エンジンは冷やす為のフィンがかなりメカノイズ音を増幅し、フィンから音自体を発生します。

整備が充分でないとチェーンノイズなどで規制値を超えた例もあります。

2010年4月からの新規制では、「近接排気騒音」だけではなく、「加速走行騒音」も 規制対象になってます。 加速騒音の73dBという基準はステレオ(正面1m)、騒々しい事務所の中、騒々しい街頭と言うレベル。

※近接排気騒音の測定条件 車両・測定マフラーとも十分に暖気した後、停車状態でニュートラル位置にて最高出力回転数の50%の 回転数までエンジンを回した状態を一定時間(一般的に5秒以上)保持し、急激にアクセルを離したときの最大音量値を測定。

ヨーロッパでの排出ガス規制

バイクの最大市場と言われるヨーロッパで規制されるEuro4が2016年に新型で発売される車種に適用され、2017年からは継続生産車にも適用されるようになり、規制に適合できない車種はヨーロッパで販売できなくなります。

そのため、対策に大きな開発費用がかかる車種や対応しても費用回収の見込みがない車種は生産終了と言う決断をしています。

2020年にはさらに厳しい規格のEuro5の施行が計画されています。

おそらくEuro5に適用できるバイクは乗用車並みの対策が必要になり、コストが全部車体に乗ってくると到底手が出ないような商品になるか、バイクの販売自体が不可能になるのではないか?全滅?とも噂が流れてきています。

今後のバイクは

2ストロークバイクが新車市場から消えたのと同じで、空冷バイクやミニバイクがどんどん消えていくのかも知れません。

バイク乗りの立場から言うと「あの音がバイクらしいんだよ」と言うのが通用しない世の中になってしまって、バイクも無音で走るEV(電気移動体)に変わってしまうのかも知れません。

私も2ストの音が好きできたが、今はその音も聞けることが少なくなって淋しくもあります。


 
 
 

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